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教育研究所

書評:気になる1冊1189<道徳と特別活動6月号>

「道徳と特別活動 2019年6月号」 (文溪堂 定価:810円)


 道徳教育及び特別活動が重要なことはすべての教師が承知している。しかし,「何」を「どのように」指導したらよいかと問われると,「...?!」となることが少なくない。このようなことに,正面から向き合い,これから勉強しようとする先生にも,ある程度自信を持っているがさらに深めたいという先生にも,現に指導的な立場で活躍している先生に対しても役立つ専門誌である。

 今号の特集は,道徳に焦点を当て「ねらいと指導の一体化を図る3つの関係性~「指導の意図とねらい」「ねらいと発問構成」「発問構成と教科書」~」である。道徳科の実施から3年目,授業の在り方を再確認する意味でもタイムリーな特集である。

 内容構成は,論考「教師の明確な指導観に基づく確かな授業構想」帝京大学教授赤堀博行,各論「道徳科の授業のねらいに応じた多様な発問構成」全小道顧問馬場喜久雄&「特質を踏まえた自分らしい授業づくり」中野区立南台小学校長松井敏,実践「道徳的判断力:道徳的判断力の育成をねらいとした授業実践」木村隆史&「道徳的心情:心情を育む道徳授業の狙いと発問構成」内田智之&「道徳的実践意欲と態度:深い学びにつながる授業構想のポイント―道徳的実践意欲と態度をねらいとした授業―」橋本ひろみ,と理論と実際を具体的に学ぶことができるようになっている。子供たちに「道徳性」を育成のためにご一読をお勧めしたい。

 また,連載「道徳:発問の工夫」文科省教科調査官浅見哲也&「特別活動:自己指導能力の育成について考える」同安部恭子,基礎講座「学校全体で行う道徳教育のプランⅡ」赤堀博行&「学級経営:清掃の時間」稲垣孝章,資料「文科省の学習評価及び指導要録の改善について(通知)」&道徳と特別活動の教育研究賞<最優秀賞受賞論文>の紹介と,役立つ情報が満載である。

 なお,同誌の4月号は「道徳科と学級会のオリエンテーション」を,5月号は「人間関係のスタートを円滑に進めるテクニック」を特集としている。 (H&M)