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教育研究所

書評:気になる1冊1192<ひと・ゆめ29号>

「ひと・ゆめhito✿yume2019年29号Summer」 (文溪堂 非売品)


 いい授業をしようと前向きに活動している「先生の毎日を応援しよう」と発行している小粒の教育マガジンであるが、山椒よろしく「ピリッとからい」すぐれものである。

 今号の「教育ホットニュース」は、小学校の英語科の新設に対応した対談で、松川禮子×梶田叡一「小学校英語の教科化で教師がおさえておきたい、その理念と評価のポイント」で、教科になった「英語科」にどう取り組むかを、5つの視点「英語は必要不可欠、小学校英語の大切な役割、外国語活動と英語科の良さを生かす、発達段階に応じた英語教育、きちんとした評価」から分かり易く解き明かしてくれる。また、外国語教育「読むことと書くことの指導について」文科省教科調査官直山木綿子も併せて読むことができる。

 教育リサーチは、田村学「カリキュラム・マネジメントの一環としての評価とは」、角屋重樹「子どもの思考・判断・表現には「すべ」が必要」と、新学習指導要領の完全実施を目前にした学校・教師にとってたくさんのヒントが得られる。

 また、教育実践リポート「レッツ・プログラミング!論理的思考力の向上を目指す、プログラミング教育」蜂須賀渉、教科指導「これからの国語授業のあり方」青木伸生&中村和弘、「田中博史の算数授業のつくり方」田中博史と、参考になる。

 さらに、巻頭インタビューは、囲碁棋士の吉原由香里「難関のプロ試験、苦しい浪人時代を支えた・当たり前の日常生活」で、囲碁を覚えて小学校時代の思い出、プロを目指したきっかけ、つらい時支えになったもの、囲碁と他のボードゲームとの違い、小学校の先生方へのメッセージ、人と向き合う機会が減るAI社会で、囲碁界の新星仲邑菫プロ&上野梨紗プロの紹介など、学ぶことが沢山ある。 (H&M)