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教育研究所
書評:気になる1冊1195<AI時代の教育と評価>
鈴木敏恵著「AI時代の教育と評価」(教育出版 本体:2800円)
AI(人工知能)の急速な進歩は,私たちの価値観,生活や社会をも大きく変えようとしている。今ある仕事の60%強の職業は,AI搭載のロボットに奪われてしまうという過激な意見がむしろ一般化しつつある。
そうすると,AI時代における人間の教育は,どのようにあるべきなのか考え,従来のものを修正・調整,いや改革することが求められることになる。
本書は,AI時代だからこそ,子供が主体的・自立的に,「意志ある学び」ができるようにする必要があると提言している。
そこで,「意志ある学び」を実現するために,プロジェクト学習,ポートフォリオ,対話コーチングなど教育と評価の手法を改革(改善・工夫)していくことを提言し,これらについて具体的に例示している。新学習指導要領が全面実施されるこの機会に,AI時代を見通した学校教育の在り方を考えるヒントとして,本書をその一冊に加えたい。
1章「与えられた学びから意志ある学びへ(新しい時代に求められる創造的な思考,AI時代に求められる正解なき教育,次世代教育4つの修得知モデルなど4節)」,2章「AI時代の教育(プロジェクト手法で新しいカリキュラム構想を! 意志ある学びを実現するポートフォリオとプロジェクト学習の相互機能,AI時代に求められる自ら課題を発見できる力など6節)」,3章「AI時代のリテラシー(AI時代に求められる新しいリテラシー,情報を見極める力・クリティカルリーディング,対話・セルフコーチングなど2節7観点)」,4章「課題発見から課題解決までの思考プロセス(プロジェクト学習で課題解決力を身に付ける,課題解決のプロセスとコーチングなど3節5視点)」,5章「成長への評価(ポートフォリオで成長を見る,AI時代の評価イノベーション・結果からプロセスの評価へ・知識から創造的な思考へなど5節10視点)」,6章「プロジェクト学習の実践セオリー(現実からの課題発見力,共感・対話・コミュニケーション力など8つのセオリー)」,7章「未来をひらくキャリアレポート(学びのマネージメントは誰がする?など4節)」と,多くを学ぶことができる。(H&M)