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教育研究所
書評:気になる1冊1196<教育課程編成の考え方・進め方>
加藤幸次著「教科横断的な教育課程編成の考え方・進め方」(黎明書房 本体:2100円)
学校教育には,「どのような子供を育てるか」,そのために「どのような内容を指導するか」,子供に「どのような学び方をさせるか(教師はどのように学習指導をするか)」を着実に行うこと即ち「PDCA(計画・実施・点検評価・修正改善」が求められている。
そのキーワードとして,「アクティブ・ラーニング」と「カリキュラム・マネジメント」が示されているが,著者は第3のキーワードとして「教科等横断的な教育課程」を据え,「教科等横断的な視点に立った教育課程の編成」と「実践事例」を,「資質・能力(コンピテンシーで,批判的思考・意思決定・問題解決・自己調整など認知的スキル,コミュニケーション・協働など非認知的な要素である社会的スキル,自律性・協調性・責任感など人格特性や態度)の育成を目指す」方向で,具体的に提案している。
著者は,教育を過去と現在と未来の流れの中で追究し,日本だけでなく国際的視野で見聞し考察する,個にも集団にも着目する学習形態や指導体制,教室やオープンスペースなど学びの場など多くの提言と実践を進めてきた。そこでは,「開かれた教育課程」をも学ぶことができる。
内容は,Ⅰ「教科等横断的な視点に立った教育課程編成の必要性を探る」,Ⅱ「教科等横断的な視点に立った教育課程とはどんな教育課程か」,Ⅲ「教科等横断的な視点に立った教育課程の参考となる実践事例を紹介する(教科横断的な学習6事例,生活科・総合的な学習の時間7事例,領域横断的な学習3事例)」,Ⅳ「学校はどのように教科等横断的な視点をベースに学校の教育課程を編成すべきか」,Ⅴ「教科等横断的な視点に立った学習にふさわしい学習方法は,どんなものが考えられるか(探究学習(問題解決学習),学習プログラムの在り方)」から構成されていて,「教科等横断的な視点に立った教育課程の編成」と「実践事例」の実際を学ぶことができる。(H&M)