ホーム > 教育研究所 > 気になる1冊 > 書評:気になる1冊1203<学校教育実践ライブラリーVol.2>
教育研究所
書評:気になる1冊1203<学校教育実践ライブラリーVol.2>
学校教育実践ライブラリーVol.2「評価と指導―全面実施直前・各教科等の取組課題」(ぎょうせい 本体:1350円)
新しい指導要録に関する文科省「通知」(2019年3月)が出て,学校の関心は,移行措置から学習評価に移りつつある。学習評価は,「授業中の評価と支援」,「単元末の評価」,「学区・学年末の評価」,「通知表における評価・評定」,「指導要録における評価・評定」,「各種学力調査における評価」など多様な場面がある。本書は,「子供を育てる過程としての授業における指導と評価と支援の一体化」にやや重きを置いて,基本的なことを解説したものである(と,考えて読み進めると多くの情報やヒントが得られると思う)。
特集は,本書のタイトルそのもの「評価と指導―全面実施直前・各教科等の取組課題」である。各教科・領域で理論的,実践的な実績を持つ方々のポイントを得た分かり易い論考が満載(43論文)である。関心のある所,必要度に応じて読みたい。
国語「小学校・単元における目標設定と指導自校の精選を」樺山敏郎&「中学校・指導事項に基づいた資質・能力の育成と評価の重視を」冨山哲也,社会「小学校・試行の深まりを捉える評価と多様な学習活動の工夫」北俊夫&「中学校・課題追究学習と自己調整を組み込んだ学習活動の工夫」工藤文三,算数「授業改善と評価をセットで構想する資質・能力ベイスへの転換」磯部年晃,数学「数学的な見方・考え方の位置づけを明らかにする」永田潤一郎,理科「小学校・評価の観点の趣旨を生かして授業をデザインしよう」川上真哉&「中学校・学習指導要領解説理科編から探究の過程を十分に読み解く」小林辰至,生活「一層の充実が求められる指導と評価の一体化」朝倉淳,外国語活動・外国語「パフォーマンス活動を通した思考・判断・表現の評価がポイント」菅正隆&外国語「知識・技能を活用したコミュニケーション能力の育成」同,道徳科「小学校・主体的・対話的で深い学びの道徳授業づくりと評価」毛内嘉威&「中学校・人間としての生き方を多面的・多角的に考えさせる指導と評価」同など,各教科及び領域全てを扱っている。 (H&M)