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書評:気になる1冊1209<哲学者の94の言葉>
植西聰著「生きるヒントとしての哲学者の94の言葉」(成美堂出版 定価:562円)
「哲学」という言葉は,明治時代に,西周が「philosophyフィロソフィ」を訳したもので,ギリシャ語の「philosophiaフィロソフィアで知恵(sophiaソフィア)を愛する(phileinフィレイン)」を語源とする。で,哲学は難しいもの,哲学者は難しいことを一層難しく語る人というイメージが強い。
でも,哲学者は,多くのことに悩み,多くのことを考え抜き,豊かな生き方や人生を送るために役立つ多くの言葉を残している。その中には,普通の人が幸せになる,生き甲斐を感じる,困難を乗り切る,希望を持ちそれに向かって前向きに生きていくための指針やヒント,頼りになるものがあるという。それを,著者が選び抜き,「難しい名言」を普通の言葉に置き換えて紹介している。余計なことだと思わなくもないが,「この言葉をこのように役立てたら」と活用の仕方まで教えてくれる。目次だけ見ても,本書のおおよその内容が推測できる。
第1章「希望をもって生きる―希望は時に見えなくなる。だが失われることはない」,第2章「ポジティブに生きる―人生を左右するのは境遇だが,人生を前に進めるのは行動だ」,第3章「幸福に生きる―懸命に生きることと幸福とはほぼ同じものだ」,第4章「人の和の中で生きる―本当に優れた人間は他人を愚かだとは考えないものだ」,第5章「仕事を楽しんで生きる―没頭はあらゆる仕事から幸福を引き出す」,第6章「苦悩の答えを得ながら生きる―苦しみが大きいほど得られる知恵も深くなる」,第7章「心おだやかに生きる―満足したいならほど良く捨てよ,あきらめろ」,第8章「知恵を磨きながら生きる―いい目的を持ちなさい,いい知恵はそこから生まれる」,第9章「やるべきことをやり遂げて生きる―死を思うのは,もっとよく生きたいからだ」。 (H&M)