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書評:気になる1冊1216<夕陽無限好>

長草舟著「夕陽無限好~人生の夕陽期は限りなく美しい~」(創英社・三省堂書店 本体:900円)


 前書きに,晩唐詩人李商隠の詩の1節「夕陽無限好 只是近黄昏」(夕日は限りなく美しい。ただ,もう黄昏に近い)を引いて,高齢期の過ごし方を,講釈しようというのである。

 そして,人間の一生を一日になぞらえ「日の出→朝陽→正午の日→斜陽→夕陽→沈んだ太陽」,人間は「誕生→成長期(幼年期~4歳,年少期5~14歳,青年期15~24歳)→もりもり働く期(壮年期25~44歳,中年期45~54歳)→仕事の第一線を退いた期(高年期55~64歳)→定年退職後の期間(高齢期65歳~)→永遠の眠り(?)」とみているようである。やや曖昧であるが...。

 ある年齢になってから,急にこれまでの生活を改めることはなかなか難しいであろう。また,若い時代から後期高齢者になったときのことまでも想定して生活していくことにはさらに無理があるだろう。

 そこで,オタマジャクシが「卵からオタマジャクシになり,カエルになり,カエルとしての生活をしながら子孫を残し,やがて土に還る」というがごとく,「人間の一生とはこういうものだ」と知って,必要に応じて「自分の人生」を確認してみるくらいに本書を活用しようという軽い気持ちで読んでみた。(余計なお世話だという気持ちを抑えながら)

 また,本書の対象になる後期高齢者が家族にいた場合は,本書のどこかを開いて,軽い気持ちで雑談のネタにしたらいかがでしょうか。

 「前書き」,第1章「年を取ったことはそう悪くない(年若いはイコール素晴らしい?など5節)」,第2章「夕陽無限好を手に入れる方法(適当な人付き合いなど5節)」,第3章「さて,いよいよ夕陽期に入った(自分の土俵を持つ,人に役立つことをする,おしゃれをするなど15節)」,第4章「生涯現役について考える(人生100年時代というキャッチフレーズ,生涯現役とは何ですか?など5節)」,「あとがき」。(H&M)