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書評:気になる1冊1229<14歳の世渡り術・昆虫たちの世渡り術>
海野和男箸「14歳の世渡り術・昆虫たちの世渡り術」(河出書房新社 本体:1300円)
中学生に友達とうまくやるには,いろいろな場面でそつなく過ごすにはということを,昆虫の生態を例にしながらやさしく説明した本である。「昆虫でもない人間に...?!」と思ったら,それ自体がこれからの生活に役立つに違いない。
喧嘩をしたからと言って友達を殴ったり刺したりしないために,気に入らないからと言って悪口を言いふらすことのないように,友達の成功(いい所)をねたんでいじめたりしないようにするために,何か読み取ってほしい。
本書の冒頭には,20枚の昆虫のカラー写真と簡単な説明を付けて,<世渡り術その1>「隠れたい,目立ちたいなら"フリ"をすべし」,<世渡り術その2>「困ったら助け合うべし」,<世渡り術その3>「好きになったらアタックあるのみ」,<世渡り術その4>「独りもいいけど時には群れよ!」があり,全部読もうという気になった。
あくまでも昆虫の事なので,まずは「へ~そうなのか!」と楽しみ,そのあとで人間にも当てはまるかどうか「熟読」「熟考」して,活用されたい。
「はじめに・こんな弱そうな昆虫たちが...。」,Stage1「敵が来たら,とにかく隠れよ!!」<擬態>-ナナフシの事情(困ったふりをする昆虫たち,視覚以外の擬態,ギロッとにらむ目玉威嚇,真似をするのは独創的だなど15の世渡り術),Stage2「そんなあなたも共犯者」<共生>-シジミチョウとアリの腐れ縁(植物と昆虫の共生,植物のボディガードをするアリ,ギブアンドテイクで行こうなど10の世渡り術),Stage3「僕の体食べて!」<求愛>-ハラビロカマキリの胸の内(昆虫の恋愛観,アタック!プレゼント作戦,アタック!俺の歌を聞いてくれなど14の世渡り術),Stage4「群れよ」<集団行動>-ハタラキバチの人生設計(群れながら「個」でいたい人間,合理的に生きるミツバチたち,アリの世界は案外大変など12の世渡り術),番外編「嫌われものの虫大研究」(嫌われることで生き延びる?ゴキブリは本当に怖いのかなどゴキブリに関する10の話題),「おわりに・昆虫は広い世界への扉」と,昆虫好きにはたまらない1冊である。(H&M)