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教育研究所

書評:気になる1冊1234<学校教育実践ライブラリVOL.3>

「学校教育実践ライブラリVOL.3 これからの通知表のあり方・作り方を考える」教育開発研究所 本体1350円


 指導要録と学習評価の改善についての文科省「通知」が出て早くも数か月,学校現場は「単なる関心」から「実際の対応」へと動き出した。指導要録は,教育委員会の基本方針によって「様式及び内容とこれに伴う評価・評定,所見などの記入」が示される。

 ところが,通知表については,原則として作成するかどうかを含めて各学校の裁量によって,「様式及び内容とこれに伴う評価・評定,所見などの記入」は行われることになっている。そこで,「新指導要録」を踏まえた「通知表の在り方&作り方」は,各学校の切実な問題である。今号のテーマは,時宜を得た「通知表の在り方&作り方」で,次のように内容が充実している。自校流(適切かつ特色ある)の通知表を作成する上で多くの情報を得ることができ,参考になる。

 巻頭インタビュー「新たな時代に即した評価活動を~学習評価と通知表のこれまでとこれから(学習評価の変遷と評価方法の開発,通知表の歴史とこれからの在り方)」仏教大学教授田中耕治,論考「通知表に求められる役割(通知表の意義,通知表作成の留意点)」神田外国語大学客員教授嶋崎政男,「3観点をどのように評価していくか(3観点を見取るポイント,よい授業に見合う評価の工夫を)」田中耕治,「特別の教科道徳の評価(道徳科の評価の具体例,目標と内容と評価の連動)上越教育大学教授」林泰成,「外国語活動の評価の3在り方(単元計画と評価計画,パフォーマンス評価と通知表の標記)」和歌山市立安原小学校教頭瀧本知香,「特別活動の評価と表記(特別活動の記録のよりどころとしての指導要録,特別活動の表記文例)」東京学芸大学准教授林尚示,「通知表の趣旨と機能を生かす~行動の記録・総合所見の評価と表記(指導要録との連動,行動の記録,総合所見)」江東区立明治小学校統括校長喜名朝博。

 さらに連載の創る「見方・考え方について考える」田村学,「単元を創る出発点」斎藤一弥,「観点別学習状況の評価のポイント」佐藤真,「深い学びづくりの基盤となる教科等のカリマネ」村川雅弘をはじめ,教育長インタビュー「公設民営塾で目指す高校魅力化とつながりのある教育」北海道寿都町教育長有田千壽,エッセイ「一期一会を大切に」林家たい平,ワンテーマ・フォーラム・現場で考えるこれからの教育「地域を活かす学校づくり・授業づくり~東北からの発信~」猪俣亮文・大沼あゆみ・加藤與志輝・山田麗圭・吉村敏之なども多角的な視点からの情報が得られる。(H&M)