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教育研究所
書評:気になる1冊1237<教育委員会月報・令和元年7月号>
文部科学省「教育委員会月報・令和元年7月号」 第一法規 360円(税込)
ちょっと堅苦しい感じを受ける月刊誌であるが,熟読すると,様々な情報やヒントが得られる「真面目すぎる」月刊誌である。今月号の特集は,「文部科学省障害者活躍推進プランについて(文科省障害者支援推進室)」「学校・教育委員会等向け虐待対応の手引きについて(文科省児童生徒課)」「教育再生実行会議第十一次提言について~技術の進展に応じた教育の革新,新時代に対応した高等学校改革~(内閣官房教育再生会議担当室)」である。
ちなみに,「学校・教育委員会等向け虐待対応の手引きについて」では,基礎編(身体的虐待,性的虐待,ネグレクト,心理的虐待の解説と,学校や教職員等の役割)をはじめ,子供・保護者とのかかわり方や天候・進学時の対応(虐待を受けた子どもへの関わり,保護者への対応,転校・進学時の学校間の情報の引継ぎ)まで,具体的に解説し,教育委員会のみならず学校現場でも役立つ。
また,「教育再生実行会議第十一次提言について」では,「Society 5.0で求められる力と教育の在り方」「学校における働き方改革」「AI時代を担う人材育成としての高等教育の在り方」「新たな学びの基盤となる環境整備,EBPM(註:エビデンスに基づく政策立案,Evidence-Based Policy Makingの略 )の推進」などの提言の解説があり,これからの教育の在り方や内容を考える際の手掛かりになる。
さらに,事業紹介「グローバル人材育成,地方からの改革」についての長野県&北海道などの取組,地方発!我が教育委員会の取組としての千葉県酒々井町教育委員会「子どものふるさと意識を育む「酒々井学」の推進~主権者教育に基づいた「酒々井のまちづくり」の実践~」,大阪府寝屋川市教育委員会の「子どもを守る位置情報GPS(Global Positioning Systemの略)サービスの運用」,山口市教育委員会の「やまぐちのまち全体で子どもたちを育む~コミュニティ・スクール,地域協育ネットを核として~」など,現下の課題をありうべき姿を見通して創造的に,具体的に進めている「地方発」には学ぶべき事柄がぎっしりと詰まっている。(H&M)