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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その672
諸富祥彦著「7つの力を育てるキャリア教育―小学校から中学・高校まで」(図書文化 本体:1800円)
中教審答申(平成28年12月)を受けて改訂された新学習指導要領(平成29年3月告示)では,教育的な諸課題の1つとしてキャリア教育(総則,特別活動,道徳科・生き方などで進める)の充実があげられている。
著者は,キャリア教育で育てる力を,「出会いに生き方を学ぶ力」「夢見る力」「自分を見つめ,選択する力」「コミュニケーション能力~人とかかわる力~」「達成する力」「七転び八起きの力」「社会や人に貢献することに喜びを感じる力」の7つに集約して,これら7つの力を育成することを中心に据えて本書を構成している。各学校で,キャリア教育の指導計画の作成,具体的な授業づくりの手掛かりになる。
第1章「小学校からのキャリア教育はここがのポイント」(キャリア教育とは何か~4つのモデル~,キャリア教育で育てる7つの力,従来のキャリア教育の壁を超えるためになど5節),第2章「小学校キャリア教育の進め方」(授業タイプ1~9で,実践するためのアイディアの紹介),第3章「中学・高校のキャリア教育のポイント」(中学校のキャリア教育の授業づくりなど2節),第4章「教師自身のキャリアづくり」(教師のキャリア創造のための9つのレッスンなど2節)と,理論も実際もわかる内容構成になっている。
本書と「学習指導要領解説○○編」(平成29年8月前後?)と併せ読んで,キャリア教育の充実(実際の進め方)に努めたい。