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書評:小島宏の気になる1冊その703

日本生活教育連盟編集「生活指導2017年06号」(生活ジャーナル 本体:667円)

 本誌は,日本生活教育連盟によって,子供を豊かに育てる教師と父母の交流を目的として発行されているものである。

 今月号の特集は,新学習指導要領で「道徳の時間」が特別の教科「道徳科」になったことを受けて,「真の道徳性を育むには」である。いわゆる道徳の専門家ではなく,子供と道徳について一緒に考えている先生と父母などが,素直に考え方(反対する,疑問がある,肯定しているなど)や実践例を紹介してあった。

 実践1「生徒と指導教官のはざまで(新任教諭の実践と思い)」中学校大野彩香,実践2「道徳推進教師として(読み物教材を活用した授業例)」中学校松野花菜,コラム「道徳の授業を見て,考えたこと」東京民研道徳部員平賀佑宏, 「教科書づくりと検定制度」出版労連寺川徹,論文1「教科化の中で道徳について考える(道徳科,私たちが求める道徳教育)」全国生活指導協議会常任委員大和久勝,論文2「生活科・総合学習と特別な教科・道徳科(虫の目と鳥の目をつなぐ学びを)」日本生活連盟委員長・和光大学行田稔彦,論文3「真の道徳性を探る(学校教育で目指すべき道徳教育)」立命館大学准教授荒木寿友と,現行の道徳教育及び道徳科の授業をややクリティカル・シンキングした傾向のものがあり,考えるきっかけを与えてくれる。