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書評:小島宏の気になる1冊その678

読売新聞生活部監修「ことばのしっぽ『こどもの詩』50周年精選集」(中央公論社 本体:1400円)

 「巨人・大鵬・卵焼き」(古過ぎ?すみません)の時代から家庭面「こどもの詩」コーナーを愛読しているが,50周年とは驚いた。素直に感心し,気づきや表現に納得し,おませに驚き,大げさに言えば教えられることも多々あった。

 こうして1冊にまとめられた小さな詩人たちの作品にふれると,世の中のあれこれから解放されて,心が豊かになったように感じられる。

 我が家では,自分の気に入った詩を朗読し合い,あれこれ勝手に感想を言い合って楽しんでいる。もし,私が教師なら,この中のいくつかを紹介し,「見たこと,気づいたこと,したこと,思ったこと,感じたこと,考えたことなどを,詩に書いてみよう」と言うような授業をしたいと思った。家庭で,学校で,試してみませんか?

 2歳から中学生までの作品が,第1章(1967~1981)山本和夫選の5作品,第2章(1982~1989)川崎洋選の32作品,第3章(1990~1995)川崎洋選の29作品,第4章(1996~1999)川崎洋選の30作品,第5章(2000~2004)川崎洋選の20作品,第6章(2005~2009)長田弘選の40作品,第7章(2010~2015)長田弘選の16作品,第8章(2015~)平田俊子選の41作品と,素晴らしい詩集である。

この作者が,今はどのような人生を送っているだろうか,これからどのように成長していくのだろうかと想像するだけでもワクワクしてくる。