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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その680
文部科学省「小学校におけるカリキュラム・マネジメントの在り方に関する検討会議・報告書」(平成29年2月14日)
新学習指導要領(平成29年3月31日告示)で,指導内容の移動や,小学校中学年の外国語学習,高学年の教科「外国語」で年間35単位時間の授業時数の増加に伴い,授業時数の確保を今から検討しておく必要がある。
報告書は,「本報告書のねらい(カリキュラム・マネジメントの3つの側面,資源「時間」の活用)」「1.小学校における時間割編成の現状(法令上の規定と学校の特色,1単位時間の考え方と現状)」「2.時間割編成に当たっての課題(カリクラム・マネジメントと時間割編成,生活や学習のリズムの確立や質の向上と時間割編成,指導計画の工夫や教材の在り方・指導体制の確保や業務環境の整備等と時間割編成)」「3.新しい教育課程における時間割編成の基本的な考え方(カリキュラム・マネジメントの中で児童の学びの質の向上に貢献する時間割編成,児童や学校・地域の実態を踏まえ弾力性余恒常性のバランスのとれた時間割編成)」「4.授業時数堂に対応した時間割の編成(考えられる選択肢・年間授業日数を増加させた時間割編成・週当たり授業時数を増加させて時間割編成(45分授業のコマを増やさず短時間や長時間等の授業を設定・45分授業のコマを週1つ増やして設定)・年間授業日数の増と週当たり時数の像を組み合わせて時間割編成),短時間や長時間等の授業時間の設定に関する考え方,児童や学校・地域の実態を踏まえた年間計画や時間割編成の最適な在り方を判断することの重要性」」「5.各学校における時間割編成を支えるために必要な方策(各学校の特色や時間割編成に向けた教育委員会等との連携,具体的な時間割編成の在り方に関する事例収集や調査研究と好事例の普及,教材や指導体制の整備,周知・移行期間におけるスケジュール)」と言う構成になっている。
目新しいことは少ないが,一般的な現状を知ったうえで,自校の実態や実情を勘案した自校流の時数確保(時間割編成)に役立てることができる。なお,週刊教育資料「特別企画・授業時数の確保,モジュール学習の留意点は?(2017年4月17日号pp10~11)」は,報告書のポイントがまとめてあり,併せ読むと分かりやすい。