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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その685
板坂元著「考える技術・書く技術」 (講談社現代新書 本体:740円)
どのようにしたら「うまく考えられるか?」,どのようにしたら「適切な表現ができるか?」と,多くの人が思っている。でも,そんなうまい話がそうそうあるわけがない。そんなことで,本書の表題を見て,「もしかしたら...」と,読み始めた。
本書を読んでみて,これと似たようなは今までもやってきたがいい加減だった。これは新しい視点だと,参考になりそうなことにも気づいた。確かに,これらの殆どを実行し続けたら,「考える技術」&「書く技術」が身に付くに違いない。でも,そうやっていたら,「考える技術」&「書く技術」を身に付けるだけで,実際の「仕事」&「問題発見・解決」をするところまで行きつかないであろう。「漢字の練習」はするが読書や文章を書くことをしない,「計算の練習」はするがそれを使って問題を解決をしないことに似ている。そこで,ざっと読んで,これはということだけを実際場面に活用することをお勧めする。
目次だけ眺めても,「考える技術」&「書く技術」のヒントが得られそうなので紹介する。
内容は,Ⅰ「アタマのウォーミング」(1頭のはたらき,2頭を刺激する,3法則性の発見,4関連付ける),Ⅱ「視点」(1自分の型を知る,2視点をかえる),Ⅲ「読書」(1半読書的読書法,2頭をほぐす読書,3精読に工夫,4英語を読む),Ⅳ「整理」(1カード・システム,2文房具,3資料の保存),Ⅴ「発想」(1発酵させる知恵,2バンカラのすすめ),Ⅵ「説得」(1情動にうったえる,2読み手を味方にする,3信頼を生む技術,4文章のリズム),Ⅶ「仕上げ」(1型の組立て,2構成の技術,3短文主義,34簡潔さ・わかりやすさ,Ⅷ「まとめ」(1誠実であること,2情熱と忍耐),という構成になっている。