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書評:小島宏の気になる1冊その689
田村学編著「カリキュラム・マネジメント入門 introduction to Curriculum Management」 (東洋館出版 本体:2000円)
小学校以来の勉強嫌いで呑み込みの悪い私は,いまだに「教育課程のPDCA」と「カリキュラム・マネジメント」の違いが判らない。本書の「はじめ」に,「どうすれば『資質・能力』が育成できるカリキュラムをデザインできるか」「どのような点に配慮してカリキュラムをマネジメントすれば『資質・能力』が育成できるか」,そんな不安や疑問に個たることを目指して,書名を「カリキュラム・マネジメント入門」としたとあった。それで,一念発起,遅蒔きながら本書で学習することにした。
本書の内容は,Chapter1「カリキュラム・デザインが創造する主体的・対話的で深い学び(深い学びと学習過程,カリキュラム・マネジメントの充実,カリキュラム・デザインの3つの回想など)」,Chapter 2「1年を通して深い学びをデザインする(年間カリキュラムの大まかな構想立て,年間カリキュラム表(4月版)作成のポイントなど)」,Chapter3「カリキュラム・マネジメントの実際(MissionA体験と言語をつなぐ,MissionB単元をつなぐ,MissionC教科をつなぐ,MissionD暮らしとつなぐ,MissionE1年をつなぐ,MissionF人をつなぐ,MissionG課題と成果を次年度につなぐ)」, Chapter4「世の中とつなぐ(世の中とつなぐ,管理職のマネジメントなど)」となっていて,多くの提言(提案)と実践例に触れることができる。
生活科と総合的な学習の時間を中心としたもので,その視点からは学ぶことばかりである。他教科に敷衍するためには,Chapter4の「学校の実態把握と改善(A教育目標を見直す,B教育課程を見直す,C学習指導を改善する,D校時表を見直す,E校内組織を見直す,F校地・校舎,教材・教具を充実する,G子ども理解を深める,H家庭との連携,I地域や社会との連携)」を下敷きにするとよさそうである。