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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その709
「小学校時報2017年№790」
全国連合小学校長会編集で,今号の特集は時宜を得たもので,校長先生方にとっては当たり前のことかもしれないが,教師一般(私を含めて)には,ポイントが抑えてありとてもよく分かり,新学習指導要領の周知徹底,移行措置,全面実施に向けてありがたかった。
<教育論壇>茨城大学准教授加藤崇英「チーム学校の実現に向けた学校経営―外部人材を活用した組織体制の確立に向けて」で,地域の人的資源の活用のマネジメント,学校と地域との協力・連携の新しい動き,体制の確立の仕方などヒントになる内容である。
また,前京都市立梅小路小学校長加村和美「地域と繋がる学習を意図的に位置づけ,児童一人一人に生きて働く力の育成を目指して」は,教育実践報告で,地域は教室,地域は教材,地域は先生と言う発想で,探究型学習,協働的な学習,言語活動の充実を進めており参考になった。さらに,萩市立椿東小学校長内田重美「連携・協働して子どもを育むコミュニティ・スクールの取組」も,3つの機能「学校運営」「学校支援」「地域貢献」を充実させることによってコミュニティ・スクールの実現を進めている。偉人吉田松陰との対話を教育の中に取り入れた特色ある活動を伝統的に進めていることでも知られている。その他,横浜市立白幡小学校長関谷道代「地域参画型学校運営とプロジェクト型学校運営」,南アルプス市立櫛形西小学校長野中るみ子「地域の教育力を有効に活用するために」他,周南市立大河内小学校長金子聡「チーム学校からチーム五郷へ―元気になる地域学習を通して」,遠野市立遠野北小学校長佐々木一人「外部人材を活用した特色ある教育課程,他」と,大変参考になる。校長先生が所持していると思われるので,是非借り受けて,ご一読を薦めたい。