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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その711
佐々木圭一著「伝え方が9割―こんな方法あったんだ」(ダイヤモンド社 本体:1400円)
学校経営の本を出版したいと,それなりに考え,結構いい内容だと思ってある出版社に説明したが,全く通じず断られた苦い経験がある。そんな後だったので,本書を読んで,なるほどと納得できる部分があった。
著者は,むしろ伝え方が苦手だった。その著者が,研究し,「伝え方には技術があり,共通のルールがある」「感動的なコトバは,つくることができる」ということを発見した。そのエキスを,具体的な場面設定の下に(言葉と文章で)見事に演じて見せてくれる。
「はじめに:伝え方にはシンプルな技術がある」を読んだだけでも,「あ~こういうことなのかな...」と先が見通せる見事な導入になっている。第1章「伝え方にも技術があった!―なぜ同じ内容なのに,伝え方で「イエス」「ノー」が変わるのか?」で,伝え方の9つのポイントが整理されている。第2章「『ノー』を『イエス』に変える技術―あなたがこれからする頼みごとに「イエス!」をもらう具体的な技術」では,3つのステップと2つの課題を設定して,伝え方の技術を教えてくれる。第3章『強いコトバ』をつくる技術―感動スピーチも,映画の名セリフも,こうやればつくれる」では,具体的に➀サプライズ法,②ギャップ法,③赤裸裸法,④リピート法,⑤クライマックス法を示し,伝えるための「強いコトバ」をつくる技術を伝えてくれる。いくつか試してみたら私の場合は,けっこう「有効」であった(具体的な場面は,企業秘密!)。
また,本書は,佐々木圭一著・星井博文シナリオ・大舞キリコ作画「まんがでわかる伝え方が9割」(ダイヤモンド社・本体1200円)と,漫画にもなっている。「見て分かり,読んで納得」の方がいいと思う人はこちらでも,十分に理解できる。