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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その712
「月刊 日本教育・平成29年6月号」 (公益財団法人日本教育会 非売品)
今号の特集は「こども」で,白鵬大学客員教授下村健一「SNSを手にした子ども社会の変化(コミュニケーション・スキルの退化,3つの想像力のスイッチをなど)」,首都大学東京教授阿部 彩「日本の子どもの貧困の実態(生活困難を抱える子どもたち・食事栄養・学習環境・体験欠如・家庭状況・親の精神状況など)」,株式会社Chrio School取締役「創造力の甲子園「Mono-Coto Innovation」が拡げる未来(Mono-Coto Innovationの誕生,デザイン思考と言う思考法,創る文化が当たり前となる未来へなど)」と,他誌とは一味違うアプローチをしていて,深く考えさせられた。
連載:NHK日本語センター専門委員加藤昌男「ことば新事情―雑草・雑踏・雑用・雑学...「雑」ってどんな意味?(あれもこれもひとまとめにして,「雑」の中にも小さな"種"や"芽"画など)」と,とても面白い。かつて,植物学者の牧野富太郎は,「雑種と言う植物はない,それぞれ固有の名前がついている」と言ったそうだが,その通りである。
また,文教ウォッチ「教科書検定に見る「特別の教科 道徳」,教育ジャーナリスト野原明「教科書を使った道徳科の授業」について,けっこう学校現場にとって耳の痛いことが書かれている(個人的には,もっと,教師は,しっかりしているよと言いたい)。