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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その715
教育再生実行会議「自己肯定感を高め,自らの手で未来を切り拓く子共を育む教育の実現に向けた,学校,家庭,地域の教育力の向上」(第十次提言)平成29年6月1日
今回の提言のキーワードは,「自己肯定感を高める」と「自ら未来を切り拓く子供」である。前者は,教師にこのような教育を進めることを求めており,後者はその教育が実現した時の子どもの姿を示したものである。決して,新しいことではないが,社会の状況や教育の状況,学校の状況が,「自己肯定感を高める」「自ら未来を切り拓く子供」を無視しては進められないぎりぎりのところに至っているということであろう。
新学習指導要領の趣旨徹底→移行措置→全面実施と,小・中学校の教育が質的に高まることを求めているが,その際,この提言を参考にすることがあってもよい。ただし,この提言に基づく具体的な方策については,具体的に示されるであろうから,性急に飛びついて混乱しないようにしたい。
内容を見てみると,1:「学校,家庭,地域の役割分担と教育力の向上について(学校・家庭・地域の役割分担,家庭・地域の教育力の向上,学校の教育力の向上のための教師の働き方改革)」,2:「子供たちの自己肯定感を育む(日本の子どもの実態,新学習指導要領に基づく授業改善,自己の長所と短所を見つめる,幼児教育の充実,家庭教育への支援,多世代・異年齢交流など)」,3:「これまでの提言の確実な実行に向けて(提言に基づき,既に法令改正等がなされた事項,提言の実行に向け,特に注視する必要のある重点事項)」,
となっている。機会を見つけて,全体に目を通しておきたい。