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教育研究所

書評:小島宏の気になる1冊その717

「総合教育技術2017年7月号」  (小学館 本体:1000円)

 教育再生実行会議では,「子どもの自己肯定感を高める」ことを提言(平成29年6月1日)している。本誌では,総力特集「子どもの自己肯定感を育む」を組み,「叱る」指導および「認める」指導について,学校経営と学級経営の視点から論じている。

 PART1:「日本の子どもの自己肯定感はなぜ低い?」について,各調査結果分析(内閣府&国立青少年教育振興機構),識者インタビュー・奈良女子大学教授伊藤美奈子「自尊感情は,『愛され』『ほめられ』『認められ』『感謝される』ことで高まる」。PART2:「叱る」指導について,教育研究財団「菊池道場」代表菊池省三「叱る基準を子どもたちに明確にして示すことが必要」,茨城県公立小学校教諭小松勝之「子どもたちの成長を見据えた叱る指導」,人吉市立人吉小学校教諭由川裕治「叱る指導がより生きるために」。 PART3:学校経営・学級経営のヒントと実践レポートについて,提言インタビュー・岡山県美咲町立柵原西小学校教諭真稲見惠介「子どものありのままを認めることで自尊感情と自己肯定感を育む」,実践レポート:大田区立大森第一小学校長内田聡司「自立と共生の力を育み,互いに協力しながら自己肯定感を高める」,大垣市立南小学校長酒井俊亘「安心できる環境づくりや話合い活動で自己肯定感と他者信頼感を育む」と,教育再生実行会議の提言の先行実践例として,役立つ情報がぎっしりである。

 また,本誌6月号に引き続いて,特集第2は,小・中学校の教科・領域別の「新学習指導要領・ここがポイント 教科調査官による徹底解説!」で,音楽,図工,美術,家庭,技術,体育,保健体育を解説している。