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書評:小島宏の気になる1冊その726
アーチャン・ブラーム著 畔上司訳『人生の視点を変えるレッスンーバナナを逆からむいてみたら』 (主婦の友社 本体:1200円)
バナナをどうむくか? 人間は根元からむき,バナナ好き(バナナの専門家)のサルは,逆からむくそうである。サルのようにむいてみると,むきやすくしかも食べやすいそうである。と同様(?)に,あれこれ迷ったらどうするか? やけ飲みをしたりやみくもに悩んでいることなく,悩みを取り去る(サル)専門家「お坊さん」に,人生を異なった方向(視点)から見ることを学んだらどうか。そうして,「視点を変えれば,悩みはスルッと解決!」するというのが,本書の「仮説」である。著者は,ケンブリッジ大学卒(理論物理学),タイの高僧アーチャン・チャーのもとで修業した「仏教の坊さん」で,「人生を有意義のある価値あるものにするコツ」を説いている。
第1章「すべてがうまくいく心の持ち方(頭の中のアルバムにイヤな記憶が沢山ある人は,今すぐ,いい思い出と取りかえよう,自分の一番の友は自分...など6話)」,第2章「人生で本当に大切にしたいもの(いくらお金があっても"思いやり"と"平穏な心"を持つ人にはかなわない,目的地に着くまでの「合間」の時間をどう過ごすかで,人生の充実度は違ってくるなど7話)」,第3章「手放すことはコワイけれど,手放せばラクになる(一度,手に入れたものはずっと自分のもの? どんなに愛するものもいつか手放すときが来るのです。)ストレスがたまってきたら無理しないで休暇をとる。これがパフォーマンスを上げる秘策など6話)」,第4章「人間関係の悩みがなくなる(あなたがイヤなやつと思っている誰かもあなたのことをイヤなやつと思っている,仲間が助けを求めてきたら自分自身の問題として考えようなど7話)」,第5章「不安のない穏やかな心でいるために(完全無欠な人間なんていない欠点があってもいいそれが足り前で美しい,恐怖心があると大したことのないことも大げさに考えてどんどん不安になっていくなど6話)」と,自分の生き方,人生の在り方を優しく(易しく)諭してくれる。
構えることなく,通勤電車の中で,トイレの中で(ごめんなさい),退屈した時,TVを観ながら,タイトルを見て気になったどこからでも1話ずつ読んでいくと,「あれ,...!」と心が軽くなって,ゆとりができたようになるから不思議である。