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書評:小島宏の気になる1冊その728

浅田すぐる著『「いまの説明,わかりやすいね!」と言われるコツ』(サンマーク出版 本体:1300円)

 本書の冒頭に,全体像を「見る化」している。「なぜ,うまく説明できないのか?」の3つの理由を明らかにする→では「分かりやすい説明の条件とは?」の3つのポイント何かを明確にし,→そこで「どうすれば,説明上手になれるのか?」の3つの方法を,具体的に示している。話下手を自他ともに認める我が身にとって,もう少し(30年ほど!?)早く本書と出会いたかったと少しばかり悔しい。

 「はじめに」で,「説明が,大の苦手と感じ,長い間コンプレックスを抱いていた」著者が,「あるシンプルな動作」を実行したことをきっかけに,「説明下手が一変」し,「数多くの感激のコメントを貰えるような『説明上手』に変わることができた」と,述懐している。

 著者の体験知を,企業で仕事をする人向けに,「説明下手の3つの理由」と,それを「改善する3つのポイント」と,「説明上手になる3つの方法」に整理したもので,きっと役立つ3×3×3の情報満載の1冊である。

 PART1:「なぜ,うまく説明できないのか?~理由は,3つあります(「動作」にできていないから,「数」を増やしすぎるから,「すべてカバー」しようとするから,について18項目)」,PART2:「わかりやすい説明」の条件とは?~ポイントは3つあります(数を「3つ」に絞ること,「構造」にはめること,「動作」で伝えること,について14項目)」,PART3:「どうすれば,説明上手になれるのか~方法は3つあります(「3つの方法」で「情報を整理する」,「3つの構造」で「考えをまとめる」,「3つの動作」で「伝える」,について28項目)」と,実に分かりやすい。

 保護者や地域などに説明の機会の多い校長先生・教頭先生に,多くの子供と向き合う先生(特に若い先生)方にも,「教師の話は,長い,くどい,繰り返しが多く,分かりにくい」を改善して,「今日の話は分かりやすくて,スッキリした」ということになるに違いない。お勧めしたい。