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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その732
「月刊教職研修2017年8月号」(教育開発研究所 本体:954円)
巻頭インタビューは,現在の教師を苦しめている困難について「困難に対処する教師の心の鍛え方(田園学園女子大学教授荒木香織:2015年ラクビーワールドカップで,南アフリカを下し大金星を挙げた日本チームを戦術面及び心の鍛え方でメンタルコーチを務めた)」である。保護者対応をどうするか,部活動の指導ですぐ切れる指導者など耳の痛い話が出てくるが,立ち位置を変えてみるとヒントになる。
特集1は新学習指導要領の核心「社会に開かれた教育課程・実現に何が必要か」である。「Q&A社会に開かれた教育課程(文部科学省合田哲雄)」,「社会に開かれた教育課程をどう編成するか」,「まず,管理職が開く」,「授業を開く」,「学級担任を開く」,「学校を開く」の視点から,解説し,実施に向けて具体的な提言である。各学校の実態と実情に応じた活用をして,「開かれた教育課程」の実現につなげてほしい。
特集2は,「『とりあえず発信』『不十分な共有』『不注意な管理』が危ない!!トラブルを防ぐ管理職の情報マネジメント」である。『発信』脱「とりあえず」確実に伝える情報発信「お便りで情報発信―保護者目線で改善を」&「ネットでの情報発信―児童の躍動する仕方をとどけよう!」,『共有』「知らなかった」としない確実な情報共有「チームが情報を共有し,最大限活用するには」,『管理』「炎上」を防ぐには「教職員個人の発信―管理職の視点から」&「教職員個人からの発信―教職員の視点から」&「学校の情報発信・情報共有」と新しい視点からのポイントが網羅されている。情報マネジメントは学校の危機管理の1つで,これらの諸論を活用して校長や副校長・教頭の職務遂行に生かしていきたい。
また,このほかに「学校マネジメント・学校経営」,「管理職の資質・職務」,「教育時事」等の連載もあり役立つ1冊である。