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書評:小島宏の気になる1冊その734

文科省初中局教育企画課編「教育委員会月報2017年7月号」(第一法規 本体:333円)

 いじめによって悲しい事案が生じ,TVや新聞で連日報道されている。児童生徒からサインが発信さているのに,児童生徒本人や保護者から直接相談されているのに,学校は,担任は,教師は,それを正面から捉えることなく放置し,あるいは形式的(心の伴わない)な対応をし,「取り返しのつかない状況を迎える事案」が続いている。

 本誌は,それに警鐘を鳴らし,「本気で,自分事として取り組め!」と言わんばかりに「いじめ」を特集している。熟読し,いじめを「しない」「させない」「見過ごさない」指導と対応に万全を尽くし,「いじめゼロ」を目指して努力したいものである。

 特集は「いじめ防止基本方針・重大事態ガイドラインについて」で,<解説>文部科学省児童生徒課「いじめ防止基本方針・重大事態ガイドラインについて」&「重大事態ガイドラインの内容に係る概要について」,「いじめ防止等のための基本的な方針(平成25年10月11日文部科学大臣決定)の改訂についての『概要』『主な改定事項』」,「学校における『いじめ防止』『早期発見』『いじめに対する措置』のポイント」,「いじめの重大事態の調査におけるガイドライン(平成29年3月文部科学省)」と,いじめの指導・対応の基本に当たることが解説されている。

 また,<調査・統計>として,文部科学省財務課「教員勤務実態調査(平成28年度集計の速報値)」,同児童生徒課「平成29年3月新規高等学校卒業者の就職情報(平成29年3月末現在)に関する調査について」,同特別支援教育課「平成28年特別支援教育に関する調査の結果について」のデータと解説があり,大変役立つ。