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書評:小島宏の気になる1冊その736

榎本博明著「カイシャの3バカ―会議好き,規則好き,数字好き」(朝日新書 本体821円)

 本書を手にし,真っ先に,日本経済を牽引してきたTO企業の衰退と,自動車部品の不具合の対応で危機的状況にあるTA企業と...といくつかの企業が頭をよぎった。

 会社に限らず,どこでも,「売れる(効果がある)ことを数字で示せ」,「すぐに会議を開き(○○委員会を設定し),具体策を検討せよ(事実関係を明らかにせよ)」,「マニュアルを作成し,円滑に実施しろ(トップが認めないようなことが実施されるような規則のない状況は認めない)」などという現象が日常化しているそうだ。

 第1章「組織に根を張るバカの壁たち(こんなバカに手を焼いているなど2節18項目)」,第2章「会議好き」はなぜバカなのか?<困った行動とその深層心理を解剖する>(会議が異常に好きな人物の事例いろいろなど3節19項目)」,第3章「規則好きはなぜバカなのか?(規則好きバカはどのように迷惑なのかなど3節22項目)」,第4章「数字好きはなぜバカなのか?(数字好きの心理を解剖するなど3節29項目)」,第5章「カイシャの3バカからいかに身を守るか(3バカはすべて自信のない「自分好き」であるなど3節22項目)」と,本書を読み進め,勤務先のK社の「(トップが大きな声で号令をかけているのに)なぜうまく進まないのか」が分かってくるような気がする。また,「誠実に働く社員のやる気と能力発揮を妨げる」ような3バカに,自分がならないようにと,自戒しつつ「どうすればいいのか」を考えるようになった。