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書評:小島宏の気になる1冊その742

茂吉(和田重良)著「子ども版 人生のネタの本」(くだかけ会 本体:1000円)

 著者は還暦を記念して,神奈川県の足柄山の中で,若者たちと,畑で作物を栽培したり,鶏を飼育したりしながら「若者たちに自分が悩みながら知ったことを,自然な形で伝えよう」と,本書を執筆したそうです。

 中身をいくつか紹介しよう。

 「両手をつかおう―よかったね どんな簡単なことでも 両手をつかってやってごらん ほら 意外な効果が... よかったね」に続いて,茂吉のひとこと「...体とこころは一つです。中でも手は,2つあるので2つつかわないで,1つですましてしまうと,頭とこころはよろこべないのです。...片手でやってしまえることも両手をつかってやってごらん。「ほうら,この通り」と,言いたくなるほどいいことがいっぱいあるのです。...」。

 「逃げ腰 ゴマカシ イイカゲン どれも みんな 本気じゃない」について茂吉の一言は「若いころ,「なかなか本気になれない自分」に困っていました。でも,本気になる必要は感じていたのです。「いつか,本気になってやる」なんて思っていたのです。...「イヤだから」と逃げ腰になっていた,「まあいいや」とゴマカしていた,「なんとかなるだろう」とイイカゲンになっていた...」。

 「やる気は やっているうちに出てくる―よかったね 宿題なんか やる気が出ない でも,イヤでもやっているうちに 面白くなってきたってことが キミにもあるでしょ? よかったね」に対して茂吉のひとことは「...本当はね,「やる気」ってのは,イヤでもつまらなそうでも,やっている内に出てくるというの形が一番いいのです。なぜかって言うと,やっているうちに出てくる「やる気」というのは,やっていることそのものに面白さを「発見」することができるカラです。...」。

 この他,「犬語を話そう 鳥語を聞こう」「きらいなんて 自慢にならん」「時間と 時刻は 使い分け」「わからないところを 見つけるのが勉強」など40の「ネタ」が出てきて,なるほどと納得できます。著者は,小学校高学年と中学生,その保護者にお勧めしたいそうです。親子で読んで,感想を話し合うといいですね。