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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その752
「月刊プリンシパルPrincipal 2017年9月号」 (学事出版 本体:680円)
学校講話と校長学の専門誌と謳うだけあって,内容は毎月充実している。今月号の特集は「新学習指導要領と学級経営」である。新学習指導要領が求める教育の実現は,学級経営(学校経営)を基盤として可能になる面が多い位だけに時宜を得た特集である。
実践理論としては,上越教育大学教授赤坂真二「変化に向き合う子どもたちを育てる学級経営(学びの場としての学級,変化の時代の子どもたちこれからの学級経営)」,福井大学附属義務教育学校副校長牧田秀昭「学級経営力の向上―学校全体で組織的・計画的に―(学校全体で学級経営力の向上を,開かれた学級への意識改革,管理職としての気配りなど)」と充実している。そして,具体的な例話としては,新潟県上越市立安塚小学校長野田晃「よりよい「解釈」から,心に響く言葉を(教職員向け講話)」,同「学級活動等の子どものやる気を高めるために(教職員向け講話)」,石川県白山市立蕉城小学校長福永善則「自己肯定感と共同体感覚を高める学校経営(特別活動・生徒指導研修会向け講話)」と,応用のきくものである。
9月の例話は,小学生向け板橋区北前野小校長大田眞・岩手県葛巻小校長藤村一夫<2学期始業式>,大阪市古市小校長松本容子<全校朝会>,中学生向け山梨南アルプス八田中校長石丸洋一<2学期始業式>,千葉白子町教育委員会指導主事太田和晴彦<9月1日避難訓練>,江戸川区小岩第三中校長蓮沼千秋<生徒会主催の壮行会>,保護者向け松本容子<PTA実行委員会>,八王子市元八王子東小校長平田英一郎<2学期始めの保護者会>,教師向け太田和晴彦<9月早々の職員会議>,蓮沼千秋<校内研修会・職員会議>
と,参考になる。
校長学コーナーでの平沢茂「教育勅語とは何か(教育勅語によらなくても,道徳教育はできる。その通りである。)」,高階玲治「新しい授業のあり方を目指す(主体的対話的で深い学びなくして,学習活動なし。カリマネが大事は,説得力がある。)」,学校講話関係コーナーの平川理恵「難しいのは優先順位ではなく劣後順位の決定(学校管理職にマネジメント意識が希薄,心したい。)」等々が,大変頼りになる。