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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その759
文部科学省「全国学力・学習状況調査」(国立教育政策研究所 平成29年8月28日発表)
今年4月に実施された「全国学力テスト」の結果が,先月下旬に公表された。国語と算数・数学のA問題は,例年通り(いやそれよりもやや)正答率が高かったと言える結果であった。それに比べて,B問題は,国語と算数・数学とも例年通り低い水準で低迷した。
今回も,子供に身に付けたい資質・能力の3つの柱「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」のうちの「思考力・判断力・表現力等」や国際学力調査「PISA読解力」などに関わる問題解決力(説明や理由,考え方を問うなど記述式問題)に係る能力の開発が課題になっている。
「報告書」のサブタイトルに「一人一人の児童(生徒)の学力・学習状況に応じた学習指導の改善に向けて」とあるように,各問題ごとに,「出題の趣旨」「設問ごとの趣旨」「学習指導要領における領域・内容」「解答類型(正答,準正答,誤答,その他)と反応率」「分析結果と課題」「参考(関連する問題など)」「学習指導に当たって(学習指導の改善へのポイントや改善例など)」が示されていて,「一人一人の児童(生徒)への学習支援及び各学校の授業改善に役立てることができるようになっていて,役立つ構成になっている。
具体的には,「小学校国語平成29年度全国学力・学習状況調査報告書~一人一人の児童の学力・学習状況に応じた学習指導の改善に向けて~」「小学校算数 同」「中学校国語 同~一人一人の生徒の学力・学習状況に応じた学習指導の改善に向けて~」「中学校数学 同」を紐解いて,学校全体で理解を共有し,児童生徒の本物の学力の向上に活用してください。