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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その776
髙橋幸枝著「そっと無理して,生きてみる」 (小学館 本体:1200円)
100歳でも今なお現役(医師,医療法人の理事長)の著者からの若者へ贈られた「生き方指南」の本です。巷に出回っている堅苦しい人生論と異なって,頭を使わずとも,目で追うだけで読み進めることのできる易しい(優しい)生き方の本です。目次を紹介するだけで,きっと読みたくなると思います。
内容は,「はじめに(ここだけ読んでも為になる)」,第1章「自分のものさしで生きる(そっと無理するくらいがちょうどいい,迷ったときはとりあえずやってみるなど7節)」,第2章「昨日よりも若くなる暮らし方(規則正しい生活が元気の秘訣,駅まで歩くことなどを日課に取り入れる,認知症にならないために私がしていることなど10節)」,第3章「悩まずに生きるために(やらないよりやって失敗したほうがいい,がんばる人をほめることをためらわない,以前できたことができなくても落胆しないなど10節)」,第4章「80歳以下の若い人へのメッセージ(一生懸命やれば年齢に関係なく形になる,若い人の前で昔はよかったとは言わない,年下の人と話すときは自分のほうから声をかけるなど6節)」,第5章「人生のしまい方,死について(100歳という年齢について今考えること,病気だと分かったらただ受け止めるだけなど10節)」,「おわりに(ここでは,「ちょっぴり無理をして」と表現しています)」で構成されている。
著者は,書くことが好きで,若者(80歳以下は若者だそうである。したがって,自分も若者である)に,明るく,元気に,前向きに生きてもらいたいとメッセージを送りたいと本書の出版を思い立ったそうである。著者のように人生について語れるようなものは持っていないが,教育について少し書いて,出版してみたいという無謀な希望を持っている。