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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その781
利根川裕太・佐藤智著,一般社団法人みんなのコード監修「先生のための小学校プログラミング教育がよく分かる本」 (翔泳社 本体:1680円)
正直,「プログラミング教育の必修」には,多くの学校・教師が困惑しているようである。中教審答申を読んでもわからない~♪,学習指導要領を読んでもわからない~♪,学習指導要領解説を読んでもわからない~♪,・・・犬のおまわりさんではありませんが。
表紙の「なぜ必修なのか?」「何を教えればいいのか?」「どう始めればいいのか?」に応えるというキャッチコピーを信じて読んだ。
本書の内容の概要を紹介する。文科省教育課程インタビュー「プログラミング教育に込めた意味―未来の創り手となるために必要な力の育成(前大杉住子教育課程企画室長)」,第1章「コンピュータとプログラミング(コンピュータとは何か? コンピュータの動きを決めるプログラミングなど3節)」,第2章「プログラミング教育が目指すもの(日本社会を上げて必要となったプログラミング教育,なぜ学校にプログラミング教育が必要か? 小学校に求められるプログラミング的思考の育成など7節&2つの資料)」,第3章「小学校でプログラミング教育を実施するポイント(どのような教科に盛り込むか? どの学年に盛り込むか? プログラミング教育を行う上での注意点など8節)」,第4章「プログラミング教育の授業実践例(国語・古河市立大和田小学校,算数・狛江市立狛江第五小学校,算数・は浜松市立三ケ日西小学校,理科・大阪市立苗代小学校,外国語活動・学校法人神奈川学園精華小学校,総合的な学習の時間・筑波大学附属小学校,プログラミング特別講座・加賀市立作見小学校の7事例)」,第5章「新たな取り組みを始めるために~先人の経験に学ぶ~(自治体・加賀市の取組,教育委員会・戸田市教育委員会の取組&古河市教育委員会の取組,学校長・杉並区立天沼小学校の取組&小金井市立前原小学校の取組の5事例)」と,内容は充実している。
先導的な内容なので鵜呑みにすることは禁物である。このまま実践して試してみる,これをクリティカル・リーディングしてあくまでも自校流を探る,参考にしてクリティカル・シンキングをして自校流を創るなど,主体的に活用することが求められる。