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書評:小島宏の気になる1冊その782

ロシェル・カップ著・大野和基訳「英語の品格」 (インターナショナル新書 本体:700円)

 英語は全く話せない。自信を持って言える。それが自分である。だから,海外旅行で「Please」をつけて,「宜しく・・・を,お願いします」と言っていたつもりであったが,本書によると,これが「押し付け」「強要」になることがあるというのである。

 本書の内容は,第1章「日本人英語の非常識(ネイティヴが驚く不自然な英語を話す)」,第2章「自然な英語を目指して(語感から理解する本物の英語)」,第3章「品のある英語に仕上げるためのスパイス(ビジネス実践編1)」,第4章「品格のある英語で好感度をあげるコツ(ビジネス編2)」という具合である。具体的な場面,英語の表現,それが日本語のどのような表現に当たるのか,その際の留意点などが分かりやすく数多く紹介されている。ある程度,英語の話せる人には,一読でコツをつかむことができるであろう。

 英語で話すのは「英会話」と言えばいいのに,ことさら「語学」と表現することを改めることも必要だ。外国語会話を「語学」と特別視する明治時代の文明開化の遺伝子が残っているからかもしれない。

 英会話のダメな自分は,日本人は,もう少し母国語の「日本語」を正しく,品よく話せるようにしてもらいたいと思う。特に,子育て中の両親と学校の先生方にお願いしたい。