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書評:小島宏の気になる1冊その785

教育課程ライブラリー№9「移行措置期の学校づくりを考える」 (ぎょうせい 本体:1350円)

 いよいよ平成30年度から新学習指導要領の完全実施に向けて移行措置が始まる。移行措置を効果的に実施し,平成32年度(中学校は平成33年度)からの円滑な完全実施につなげるためには,移行期間中の充実した学校づくり(学校運営&教育活動)が求められる。

 本号は,各学校(管理職&教職員)が渇望している「移行期間中の学校づくり」に関する情報を与えてくれ,有効な内容が満載である。その内容をざっくり紹介しよう。

 千葉大学教授天笠茂「移行措置期における学校づくりの条件」,教育創造研究センター所長髙階怜治「学校のグランドデザインと学校教育目標の見直し(次期教育課程の充実を目指した学校のグランドデザイン,実践志向としての学校の教育目標,新しい教育実践導入のストラテジー,全員経営による持続可能な学校づくりを)」,上越教育大学教授赤沢早人「カリキュラム・マネジメントの第一歩」,北海道教育大学釧路校キャンパス長玉井康之「社会に開かれた教育課程に向かう学校づくり(社会に開かれた教育課程と総合的なマネジメント,学校・地域が連携したカリキュラムマネジメントと社会に開かれた教育課程,社会に開かれた教育課程と横断型カリキュラムマネジメント,チームとしての学校の協働性と社会に開かれた教育課程,社会に開かれた教育課程とスクールマネジメント)」,上越教育大学教授赤坂真二「主体的・対話的で深い学び,まずここから」,高知県教育委員会学力向上総括専門官齋藤一弥「見方・考え方の理解とこれからの教科等の学びの在り方」,甲南女子大学教授村川雅弘「移行期の研究課題と研修方法の工夫・改善」と,示唆に富む内容が満載である。

 これらを根拠(参考として取り入れる),ヒント(手掛かりとしてさらに深める),反面教師(クリティカルリーディングをして新しいものを創造する)として活用し,新学習指導要領を実現する学校づくりに役立てていただきたい。

 なお,「№8教育課程ライブラリー」では,大きく変わった道徳科(毛内嘉成,林泰成,氷田繁雄),外国語教育(菅正孝,直山木綿子,池田勝久)について「実践・これからの道徳と外国語教育」が特集されていて,大変参考になる。