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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その793
「山と渓谷2017年11月号」 (山と渓谷社 定価:1028円)
本誌の「保存版特集」は,東京都心から最も近い「再発見・高尾山」である。
なんといっても特集の目玉は,第1章「中心部」の高尾山で,年間300万人(大半は外国人)にも達するのではないかという大人気で,国際的に知られた多摩の観光地である。第2章「周辺部」には北高尾や南高尾など,第3章は「高尾山からその先へ」で奥多摩,大菩薩峠,奥秩父へのロングトレイル(長距離自然遊歩道)に分けて,歩き方を紹介している。
ところで,友人の植物学者のHさんの話がきっかけで,老妻と2人の孫と4人で,久しぶりに秋の高尾山に登った(歩いた)。登りは歩き,くだりはケーブルにした。Hさんの植物観察の話を思い出し,いつもは通らない細い別ルートをあたかも前から知っていたかのような説明をしながら3人を誘導した。ただ歩くだけでなく,虫や植物に関心をもって,丁寧に見る(観察まではいかない)と,けっこう楽しく,みんなでワイワイガヤガヤとおしゃべりしながらいつの間にか頂上についてしまった。本誌と,簡便な植物図鑑や昆虫図鑑,鳥類図鑑を持参する(電子辞書ならもっと便利)と楽しみも倍加するに違いない。
第二特集は,神戸市・芦屋市・西宮市・宝塚市にまたがる山塊で瀬戸内海国立公園の一角を取り上げた「六甲山を遊びつくそう!」で,登山のコースガイドだけでなく,歴史・文化,観光,温泉,飲食物など麓での楽しみ方まで幅広く紹介している。