ホーム > 教育研究所 > 気になる1冊 > 書評:小島宏の気になる1冊その794
教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その794
「指導と評価2017年11月号」 (図書文化 定価:450円)
2学期の通知表をつけることを気にする時期が来た。担任にとって観点別評価,評定,所見などは,「どのように評価するか?」「どのように表現するか?」が,悩みのの種である。(記入の労力は,ICTを使うようになってそれ程ではないようだ)
そんな悩みに応えるかのように,特集は「通信簿・補助簿」で,応用教育研究所石田恒好「通信簿・補助簿の意義」,上越教育大学特任准教授田邊道行「校務支援システムを活用した成績管理」,熊本県山江村立山田小学校教諭西口雄一郎「本校の通知表~個を大事にした通知表を目指して~」,高知大学准教授鹿嶋真弓「私の補助簿:シミュレーションシートを活用した学級経営」,静岡県立袋井高校教諭鈴木秀幸「ポートフォリオを補助簿として用いる」と充実している。
現在,文科省において,新学習指導要録に対応した学習評価の在り方(主として指導要録に関して)を検討しているが,通信簿についても影響が出てくることが予想される。
また,石田恒好の巻頭言「確かな証拠に基づく教育」は,評価資料に基づいた「妥当性・客観性・信頼性」に裏付けられた評価・評定を勧めている。根拠を挙げて説明できる,テストだけでなく実際に行わせて評価するパフォーマンス・アセスメント,学習過程やその都度の成果などを活用したポートフォリオ・アセスメント,評価規準の定めるルーブリック(評価資料+作品例,筆者は記述評価と主張)などの考え方など,学ぶべき点が多い。