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教育研究所

書評:小島宏の気になる1冊その795

「総合教育技術2017年11月号」 (小学館 定価:1080円)

 各学校では,新学習指導要領についての趣旨徹底をどのように進めているでしょうか。本号は,新学習指導要領の円滑な全面実施に向けて特集を組んでいて,参考になる。

 総力大特集(第1特集)は,「どう進める?新学習指導要領『教科横断的な学び』と『カリキュラム・マネジメント』」で,識者に聞く理念と実践「教科横断型カリキュラム・マネジメントに必要な視点と具体策」で中教審委員無藤隆「『主体的・対話的で深い学び』の考え方のもと学習内容や時間をマネジメント」&前文科省視学官田村学「教科や単元,体験と言語,暮らしをつなぐことで深い学びを可能とするカリキュラム・マネジメント(具体的,詳細で管理職・ミドルリーダー,CS委員など必見!)」である。さらに,全国横断レポート「実践レポート1:教科と教科,単元と単元をつなぐ授業づくりのヒント」で,上越市立大手町小学校「6領域にわたる合科的な授業で子どもたちの資質・能力を育てる」,佐伯市立鶴谷中学校「実践レポート2:総合的な学習の時間と他教科を関連付けたカリキュラムマ・ネジメント」,沼津市立静浦小中一貫学校「実践レポート3:図書館を中心として各教科をつなぎAI時代の『生きる力』を身につけさせる」,東京都多摩教育事務所「実践レポート4:『教科横断』と『PDCA』の視点からカリキュラム・マネジメントの事例を開発」,館山市立北条小学校「実践レポート5:カリキュラム管理室を中心に指導と平準化と授業改善を積み重ねる」と,学ぶべき事柄が満載である。

 第2特集は「評価方法と文例を徹底研究」で「ここがポイント!特別の教科道徳の評価」であり,提言:武庫川女子大学大学院教授押谷由夫「評価は子供への応援メッセージであり指導観・評価観の180度転換が求められる」,小学校評価文例大阪市立豊仁小学校長服部敬一「1時間で達成可能な『ねらい』を立て『道徳ノート』を元に評価文を書く」,中学校評価文例一宮市立浅井中学校長山田貞二「ワークシートを工夫し6時間の授業から見える部分を捉え効率よく評価する」と道徳科の評価例を提案していてクリティカル・リーディングをすれば大変参考になる。