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書評:小島宏の気になる1冊その800

樋口忠彦・高橋一幸・加賀田哲也・泉惠美子著「小学校英語Q&A指導法事典 教師の質問112に答える」 (教育出版 本体:2800円)

 新学習指導要領の全面実施を控えて,小学校教師の一番の悩みは,外国語活動(3・4年)と外国語科(5・6年)の指導と授業時数の確保である。

 本書は,前者に関する学校現場のQ(質問と不安)に答えたもので,移行期間の研修として,また実際の指導に当たっての具体的な指導の方法として,多くのヒントを与えてくれる。少々長くなるが,内容(14章112のQ&A)の一部を紹介しよう。

第1章「小学校外国語教育の目的,目標と役割(外国語教育の目的と小学校外国語教育の意義は? 小学校外国語教育の課題と課題解決策は?など5つのQ&A)」,第2章「児童の特性と小学校英語教育の在り方(児童の発達段階と英語教育の関連は? コミュニケーション能力とは?など8つのQ&A)」,第3章「学習到達目標(CAN―DO)と指導内容(小学校外国語活動,外国語科の目標は? 「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」の学習到達目標と指導内容は?など10のQ&A)」,第4章「4技能5領域の指導方法と留意点(4技能の指導順序は? 「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」の指導方法と指導上の留意点は?など8つのQ&A)」,第5章「外国語教育における国際理解教育の進め方(国際理解教育とは? 国際理解を深める題材と指導のポイントは?など6つのQ&A)」,第6章「児童が主体的に取り組み学ぶ活動(語彙や表現に慣れ親しむ活動とは? コミュニケーション・自己表現を楽しむ活動とは?など6つのQ&A)」,第7章「教材・教具の活用法(児童が生き生きと学ぶ活動とは? デジタル教材の活用法は?など10のQ&A)」,第8章「学習指導案作りの基礎知識―よりよい授業摂家のために(学習指導案の作成方法は? 短時間授業のメリットを生かす方法は?など13のQ&A)」,第9章「授業の進め方―よりよい授業づくりのために(授業を英語で進めるコツと望ましいティーチャー・トークとは? TTを効果的に進めるポイントは?など10のQ&A)」,第10章「児童の関心・意欲を高める指導(児童にやる気を起こさせる指導のポイントは? 英語学習に対する関心・意欲・態度を育成,持続させるには?など6つのQ&A)」,第11章「多様な児童への対応とクラスルーム・マネージメント(学びのユニバーサルデザインとは? 授業中立ち歩いたり集中できない児童への指導は?など6つのQ&A)」,第12章「評価の在り方,進め方(4技能の評価とは? CAN-DO評価とは? パフォーマンス評価とは?など10のQ&A)」,第13章「これからの指導者の研修,養成(担任に必要な英語力とは? 自己研修の進め方は?など8つのQ&A)」,第14章「小中英語教育の現状と小中連携の在り方(小・中教員から見た小英の成果と課題は? 小中連携の事例とそれを意義あるものにする方策とは?など6つのQ&A)」
と,実にきめ細かく構成されている。

 本書を用いて独力で研修するだけでなく,該当学年の教員が協働して学び合うことをお勧めしたい。