ホーム > 教育研究所 > 気になる1冊 > 書評:小島宏の気になる1冊その802

教育研究所

書評:小島宏の気になる1冊その802

宮城県教育委員会「特別の教科 道徳の全面実施に向けて」リーフレット 非売品 http://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/644384.pdf

 道徳科の授業が,小学校は平成30年度,中学校は平成31年度から全面実施されることに備えて,小中学校の教員が道徳科の授業を行うに当たって,基本的なことを平易かつ簡潔に10ページほどにまとめたもので,県内(除仙台市)の全小中学校に10月2日に配布した。

 内容は大きく3つに分けて,「特別の教科 道徳とは」,「考え,議論する道徳とは」「道徳科の評価」について,「何が変わるのか?」を解説している。

 今,確認しておきたいこと3つとして「自校の重点内容項目(学校の教育目標を基に,道徳教育の重点目標の道徳的価値を確認し,重点内容を設定するなど指導効果を高める要点)」「年間指導計画の作成と取扱い(教科書を主たる教材として使用し,学校独自の重点内容項目を定めるなど」そして「全体計画の見直し(校長の基本方針を踏まえ道徳教育推進教師がリーダーシップを発揮し,全教員が参加・協力)」を求めている。

 また,「なぜ特別の教科 道徳なのか?」「教科化された背景は?」を,「道徳の時間の次」「いじめ防止の推進」「道徳教育の体系化・構造化」の視点から「質的展開」を図るため「道徳科」となったことが開設されている。

 さらに,「教科化によって変わること」として,「道徳科の目標」と「道徳科の特質」を踏まえた学習を期待するとしている。一読して「目から鱗」を実感した優れものであるの感想を持った。

 なお,道徳科は,新学習指導要領に基づいて,小学校は平成30年度(中学校は平成31年度)から教科書を使用して指導することになる。