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教育研究所

書評:寺崎千秋の気になる1冊806

田中博之著 『アクティブ・ラーニング「深い学び」実践の手引』 (教育開発研究所 2017.8.1 本体:2200円)

 新学習指導要領では育成すべき資質・能力の三つの柱が一人一人の子供に身につくよう「主体的・対話的で深い学び」の実現に向かう授業改善を求めている。そのための方法がアクティブ・ラーニングである。著者はアクティブ・ラーニングが正しく理解され適切な実践が行われるよう「アクティブ・ラーニング実践の手引」「アクティブ・ラーニングの学習評価」を刊行した。本書は、中央教育審議会答申及び新学習指導要領において「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニングの視点)が重視されたことから、この「深い学び」に視点を当て新たに書き下ろしたものである。

 本書では、「主体的」「対話的」は理解できるが「深い学び」がよく分からないとする声に詳細に答えている。「主体的・対話的で深い学び」とは何か、「深い学び」を生み出す学習理論、授業づくりとグループワークの進め方、「深い学び」にならない原因と解決策、カリキュラム・マネジメントの進め方などに加えて実践事例が簡潔に示されている。「深い学び」を具体的に理解し実践の方向性をとらえることができよう。