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書評:小島宏の気になる1冊その810

小林朋道著「先生,イソギンチャクが腹痛を起こしています!〔鳥取環境大学〕の森の人間動物行動学」 (築地書館 本体:1600円)

 本書は,著者である小林先生の部屋で飼っている動物をめぐっておきる様々な事件(珍事件)を普通に書いたものである。「はじめに」を読んだだけで,すっかり取り込まれてしまった。

 内容は次のような面白い構成になっている。

 グレという魚の話「グレはこうしてヒーローになった」(あれこれの結果,グレがイソギンチャクを救った),そのハエは,コウモリの体毛のなかで暮らしていた「奥深い洞窟の天井に蛹を産みつける謎深きハエ」(ユビナガコウモリとその体毛の中にいたケブカクモバエの関係),イヌは,自分の行動に罪の意識を感じることがあるか?「Youtubeの動画は教えてくれる」(イヌの罪悪感上の考察),コウモリは結構ニオイに敏感だ!「立派な哺乳類だから当然だ」(キクガシラコウモリのニオイ認知能力),モモンガの天敵たち「二ホンモモンガについての研究はとても遅れているのだ」(二ホンモモンガの研究),トチノキとヤギたちの物語(複数のヤギの飼育とトチノキの成長),先生!シリーズ◎思い出クイズ(本書も含めて,これまでに発行されている10巻に関する10問のクイズ)。