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書評:小島宏の気になる1冊その817

杉本節子著「NHKきょうの料理 京町・杉本家の味 京のおばんざいレシピ」(NHK出版 本体:1800円)

 
 「はじめに」に,「前略。おばんざい(京都で古くから日常的に食されているおかずのこと)は,ふだんの飾らないおかずですから,ぜいたくな食材は使いません。けれども,滋味に富んだ旬の味をいつくしみ,むだを出さずに食材の端っこまで使いきっておいしいものをつくるというおばんざいの知恵と工夫は,エコと節約の考えにも通じ,今の時代の生活のヒントになるのではないでしょうか。本書はでは受け継がれてきた「歳中覚」の精神(さいちゅうおぼえがき:220年前より京都杉本家の当主が後世のために四季折々の「質素倹約」の暮らしを書き残したものである)とおばんざいを通して,そんなことをお伝えできればと思います。」とあり,著者の意図が端的に表現されている。

 次のように春夏秋冬に分けて「おばんざい」が,「おばんざいの名前」,その「写真」,「材料」,「カロリー」,「料理の手順と仕方と所要時間」が,「これなら自分にもできそうだ」というくらい,分かりやすく紹介されている。
<秋の章>は,「じゃがいもと刻み昆布のあっさり煮」「じゃがいもの甘煮」「じゃがいもの団子汁」「小豆ご飯」など,16レシピ。
<冬の章>は,「ふろふき大根」「大根の五目煮」「柚子大根」「切り干し大根の炊いたん」「はりはり漬け」「さけと水菜のあっさり煮」「さけのかす汁」など,30レシピ。
<春の章>は,「ふきの炊いたん」「ふきじゃこ」「ふきとベーコンの煮物」「湯葉と菜の花のおしたし」など,22レシピ。
<夏の章>は,「あじのかば焼き丼」「なすの即席しば漬け」「梅干し」「熟れ梅煮」など,29レシピ。