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書評:小島宏の気になる1冊その826
教育情報誌「OFオフvol.37」 (新学社 非売品 http://WWW.sing.co.jp/of/)
今号の特集は,「再度,基本から振り返る・特別の教科道徳」で,立命館大学准教授荒木寿友「先生の工夫や努力によって授業は大きく変わってきます(教科書の使い方,発問の工夫,授業のまとめ,道徳の評価と教師の見る目,道徳で評価する部分,他教科とのつながりなど)」,大阪市立豊仁小学校長服部敬一「授業実践例に学ぶ・「なぜ」を教えることが未来を生きる力(しょうじき・うそつき「金のおの」2年生の実践例)につながる」と,具体的かつ明確・簡潔で参考になる。また,ベテランのtoshi先生の「新・それいけ!新米先生<道徳の授業でできる特別なこと>」も,道徳科の授業をどのように進め,子供の心を育てる評価はどうあったらよいか提案していて,きっと試してみたくなると思う。さらに,OFオフTALK松田昌さん(作曲家&鍵盤ハーモニカ&エレクトーン奏者)の「好奇心は,夢を追いかけるための「魔法のランプ」です」も,教育とは何か,教師とはどのような存在かを教えてくれる。
連載の「城ヶ崎流・教師の腕前診断」の今月のテーマは「甘えのススメ」で,学級経営の工夫を,子供が怪我した場合,給食のおかわりの場面を例にして学級経営のコツを解説していて,「なるほど」と納得した。また,福岡私立小学校前田文子「効果倍増!わたしの教材活用術」は,「学力調査型テストを活用して学力アップを図りませんか?」で,学力調査の平均点と順位に怯えることなく,これをどのように活用したら児童の真の学力向上につながるかを試行したもので,「授業づくり」のヒントが得られる。
各教科の授業実践例の今宮信吾「国語・3年生の語彙指導」,秋山順子「算数・6年生の角柱の体積」,三井寿哉「理科・4年生の金属,水,空気と温度」,佐古賢一「社会・5年生の私達のくらしと情報」も,新学習指導要領が求める方向での実践で自分流の授業づくりの手がかりになる。