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書評:小島宏の気になる1冊その835
今津孝次郎監修・著「小学校保健室から発信!先生・保護者のためのスマホ読本」 (学事出版 本体:1500円)
本書は今津孝次郎氏と「子供たちの健やかな育ちを考える養護教諭の会」の先生方の編著によるもので,学校現場の子供たちの実態と親身に指導・対応している実例に基づいて構成した「ほんもの」である。熟読して理解すれば,養護教諭にとって,生活指導担当教諭にとって,学級担任にとって,そして保護者にも「役立つ」1冊である。
内容は,次のような構成になっていて,単なるスマホ対策ではなく,「フェイスツーフェイス」の「好ましい人間関係の育成」を大事にしたもので,教育的であるとともに人間の生き方,子供の育て方にまで多くのヒントを与えてくれる。以下,ざっくりと目次を紹介する。
「監修者はしがき」「まえがき・保健室からのメッセージ」に続いて,第1章「小学校で子供はどのように育つのでしょうか(保健室の子供の姿から等2つの視点から)」,第2章「子供とのかかわりについて見つめ直しましょう(子供のコミュニケーション能力等2つの視点から)」,第3章「スマホ・デビューを観察すると(スマホ・デビュー時の課題等3つの視点から)」,第4章「スマホとコミュニティサイトの仕組みとは(ケータイ・スマホのトラブルからメディア機器の特徴を知る,LINEのトラブルからスマホの特徴を知る等4つの視点から)」,第5章「ネットいじめをなくそう(ネットいじめの特徴等3つの視点から)」,第6章「日ごろからスマホ依存を予防しましょう(スマホ依存とネット依存症等2つの視点から)」,第7章「スマホ使用について保健室からのアドバイス(ルール作りの大切さ等2つの視点から)」,第8章「家庭でスマホ・ルールを作りましょう(なぜ家庭でスマホ・ルール?等3つの視点から,しかもルール作りのワークシート付)」,「あとがき」と,至れり尽くせりの内容で,かつ分かりやすく,校内研修や保護者会の話題にもすぐに使える。