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教育研究所

書評:小島宏の気になる1冊その840

「総合教育技術2018年1月号」 (小学館 本体:1000円)


 学校は忙しい。定時に退出する日を設定しても「仕事量」が減らなければ,持ち帰り仕事にするだけで「忙しさの解消」にはつながらないと,素朴な感想を持つ。

 今月号の総力大特集は「教師の多忙問題,解決のカギ!学校「働き方改革」副校長・教頭の激務問題をどうするか?」である。
PART1「これを改善せずして働き方改革なし!副校長・教頭の激務の実態と解決への処方箋」「各種データに見る激務の実態―学校で最も忙しいのは副校長・教頭,その勤務状況は10年前からさらに悪化」,「匿名ホンネ座談会―副校長・教頭の激務問題解決は学校全体の意識改革から」,巻頭インタビュー「学校・行政・民間の視点による副校長・教頭の激務問題解決策」矢尾板修。
PART2「学校でできること,行政がすべきこと,民間に学ぶこと―3つの視点から考えるこれからの副校長・教頭の働き方」,「視点①学校でできること―抜本的な改善と工夫により業務時間の削減や効率化が進められる」静岡大学教授山﨑保寿,「視点②行政がすべきこと―職員室業務アシスタントを配置し副校長・教頭と教員の負担軽減に成功」横浜市教育委員会,「視点③民間に学ぶこと―学校の超無範囲と削減目標を明確にし保護者や外部人材も活用しながら改善を」学校業務改善アドバイザー川島高之。と,様々な考え方と提案がある。要は,1日実働8時間(教員の調整手当月額4%というのは,1日当たりの超過勤務20分弱である)の中で,「子供の指導・評価とその準備に限定して」いかにできるようにするかである。

 特集2は,2018年度から始まる移行期の「英語の時間確保の4つの対策,ここがポイント!」で,提言インタビュー・吉田研作,実践レポート①福岡県那賀川町立安徳南小学校,②福井県勝山市立成器西小学校,③千葉県流山市立鰭ヶ崎小学校,④秋田県由利本荘市立由利小学校の工夫が具体的に紹介されていて,参考になる。