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教育研究所

書評:小島宏の気になる1冊その842

「教育研究2018年1月号」 (不昧堂出版  本体:787円)


 校内研究で,「深い学び」が話題になるが,いまひとつわからない。そんな時「深い学びを考えるとき,子供の学びをつなぐ力が必要になる。子供同士の学びがつながることもあれば,子供一人の中でこれまでに学んだことがつながっていくこともある。そこで,教師には,子供の学びを見取り,つないでいくことが求められる(国学院大学教授田村学)」が1つのヒントになりそうだ。

 本誌の今月号の特集「知識がつながる授業」は,森本信也「子供が知識をつないで,学習を深める視点」,「つなげて見えてくる主体的で協同的な子供の学び」田中孝之,「自分に合った学び方を学ぶ」金井聡,「読みの本質と術が,系統的につながる物語の授業」二瓶弘之,「情報を使える知識へ」鷲見辰美で,その意味で役立つものがいくつかあった。

 むしろ,研究発表の図工「対話で学びあう授業を探る~子供たちの思考のプロセスを追う試み~」仲峰盛之,算数「課題をつくり,解決方法をきめていく子を育てる算数授業」中田寿幸,社会「子供たち一人ひとりに問題解決力を育む社会科授業づくり・第5学年自然災害とともに生きる~釜石の安心の砦~」の中に,きらりと光るものをたくさん見つけることができた。