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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その843
松浦弥太郎著「しごとのきほん・くらしのきほん100」 (マガジンハウス 本体:1500円)
著者は,暮らしとは仕事であり,仕事とは暮らしであるという。これを切り離して考えてはならない。仕事も暮らしも頭を使う作業ではなく,心を働かせて,大いに楽しみ,大いに学ぶことであるという。それが,仕事の基本とか,暮らしの基本である。基本は楽しい。基本は繰り返すことで磨かれる。と,著者の哲学が語られている。(松浦弥太郎のきほん1より要約抜粋)
内容の構成は,「しごとのきほん100(今日の新しさを毎日生み出す,シンプルに簡単に,推理をして仮説を立てる,あれもこれも望まない,批判と反対意見を大切に,ほめるたたえる認める,いつも初心者であれなど100)」,「くらしのきほん100(やさしさをやわらかく,親切を深めていく,おまけをつけよう,お礼にはいつも感想を添える,押し付けないこと,否定しないこと,冷蔵庫の中身は毎日見ること,「でも」と言わない,相手の意見を聞く,頭ではなく心を使う,今日のしごとは明日のしごと,漢字や辞書と仲良くする,不自由が当たり前など100)」となっている。そして最後に,「あなたのきほん100(実は,ここには,001から100までの番号欄があって,自分で「じぶん(あなた)にきほん100」を書き込むようになっている)」となっている。
表現方法も工夫されていて,右ページに「基本の言葉」,左のページに200字前後の「明解な解説」がついていて,「これ」は「こうだ!」と,「スト~ン」と落ちるようになっている。
「しごとのきほん100」の054番に,「人に話しかけるように書く」とある。自分も若い時からこの基本を大事にしてきたので,著者から認められたようで気分がよかった。