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教育研究所

書評:小島宏の気になる1冊その844

驚愕!日本の未来年表・識者が語る日本への警鐘と処方箋」(枻(えい)出版社 本体:1000円)


 2030年頃には,現在ある仕事の47%がAIロボットに奪われ消滅するという。この雇用大崩壊時代を生き延びる処方箋について,ノーベル賞を受賞した益川敏英をはじめ吉川洋,中谷一郎,鬼頭宏,鈴木貴博,三橋貴明,山梨知彦,中川寛子,福田千晶,村井俊治などが提言している。

 内容は,「日本の未来年表」では,2020年東京五輪オリンピック神話崩壊か,2025年タクシードライバーや長距離トラックドライバーの仕事が自動運転車に奪われる,2030年弁護士助手,銀行の融資担当,税理士などホワイトカラーの仕事は消滅,2035年未婚大国へ,2045年人工知能が人間の知能を超える,2050年世界人口増,食料争奪戦,2100~2300年意識を持ったロボットの登場,3118年頃人類滅亡?と,衝撃的である。

 続いて,「ノーベル物理学賞受賞益川教授,未来を語る」で,日本の未来を良くするための「現状に満足せず,常に長的な気持ちを持つ」「人間の知的好奇心はAIに勝る」「純粋な若い芽が育つ環境を作る」など7か条について熱っぽく語っている。

 さらに,第1章「人口問題(ザクッとわかる人口問題のキーワード,人口減少社会の処方箋・どちらにしても人口減少社会はやってくる,人口減=経済縮小にはならない。これが経済学の考え方,移民問題の処方箋など15節)」,第2章「経済問題(雇用の未来,AIロボットはどのように人間の仕事を奪うのか,仕事の未来,農業問題など11節)」,第3章「科学・技術の未来(JAXA名誉教授中谷一郎が語る宇宙とロボットの未来,地震予知など7節)」,第4章「医療の未来」,第5章「歴史から見た日本」と,私たちが疑問・不安に思っていることに多種多様な観点から説明・考察・処方箋を示している。

 子どもや若者が,明るい未来を夢見て,自分,友達,家族,地域や日本,世界,人類のために「明るく,元気に,前向きに」生きていけるように考え,行動するヒントを探してほしい。。