ホーム > 教育研究所 > 気になる1冊 > 書評:小島宏の気になる1冊その847

教育研究所

書評:小島宏の気になる1冊その847

日本数学教育学会研究部著・子供の科学特別編集「さがしてみよう,あそんでみよう,つくってみよう・体験型読み聞かせブック・算数好きな子に育つ楽しいお話365」 (誠文堂新光社 本体:2300円))


 日本数学教育学会は,幼稚園から大学までの日本中の先生方で「算数や数学の教育の仕方」を研究している団体である。教育出版教科書「小学算数」の執筆者の一人であり,この学会の常任理事である細水保宏さんが中心となって,研究部の先生方で著した1冊である。

 本書は,読んでもらっても,自分で読んでも,自分で読みながら実際に「さがして」「あそんで」「つくって」みても楽しくなる。そして,算数がだんだん好きになり,少しずつ考える力が育ってくる。

 本書は,学校の先生方には「子どもたちとの話題づくり,算数科の教材研究」として,保護者には「子どもとの話題づくり,コミュニケ―ションのきっかけづくり」として,子どもたちにも「算数の読み物,物知り事典」として,勧めたい本である。

 1月1日から12月31日まで,1日1つの話題が,例えば「1月10日:0ってなあに?」「2月14日:今日は円周率の日!」「4月23日:分数の始まり~古代エジプトのお話」「7月7日:お空に浮かぶ三角形のお話」「10月31日:グラフをかくといろんなことが見えてくる」「ケーキの大きさ~「号」って何?」などと,365もの話題が取り上げてある。

 初めから順序良く読むのもいいが,目次をみて,興味・関心のあるとこから読んでみる。今,学校で学習している内容に関連する項目を読んでみる。など,少しずつ読み進めるとよいでしょう。

 ところで,先生方が,算数授業を進めるに当たって,「算数教育用語の意味」「指導内容の系統」「指導方法の工夫」「数学的な専門知識」「指導上の配慮事項」「指導と評価と支援」などについてさらに深く学びたいときは,私も関わったが,教師用として日本数学教育学会出版部編「算数教育指導用語辞典・第4版(教育出版)」があるので紹介します。