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書評:小島宏の気になる1冊その852

今泉忠明監修・イラスト下間文恵,徳永明子,かわむらふゆみ「おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典」 (髙橋書店 本体:900円)


 孫たちが,スズムシ,クワガタ,トカゲ,ザリガニ,ウサギ,チョウの幼虫,カマキリ,カエル,ミジンコ,ダンゴムシ,セキセイインコ,ニワトリ,犬,猫,ヤゴ,メダカ,金魚などを年齢に応じて飼っていた。「でも!」,それぞれについて意外と知らないことばかりである。

 本書は,生き物が進化の過程で,様々に変化してきたことを「ざんねん(意外なという意味である)」という視点で面白おかしく紹介している。子供が読んでも,大人が読んでも,教養や学力とは殆ど関係ないが,楽しむために,話題づくりとして,お笑いとして,ユーモアあふれる1冊である。

 第1章「ちょっぴり進化の話(進化ってなんだ?地球で生き残るのは難しいなど6つの説明)」,第2章「ざんねんな体(ダチョウ,カバ,メガネザル,クラゲ,ヒトで,ゾウなど45種の生き物の話題)」,第3章「ざんねんな生き方(アライグマ,コウテイペンギン,エリマキトカゲ,キツツキ,ウシなど45種の生き物の紹介)」,第4章「ざんねんな能力(カメレオン,オオカミ,シロナガスクジラ,マンボウ,タツノオトシゴなど32種の生き物の紹介)」で「ざんねんなこと」の解説(例えば,「サイのつのはただのイボ...」「オオヨシキリはだまされてカッコウのヒナを育てる...」「チンパンジーがしゃべれないのは,のどの構造のせい...」など)のほかに,どの生き物にも「名前,生息地,大きさ,特徴」の補足がある親切さである。
 
 なお,本書が好評だったので,今泉忠明監修,イラスト下間文恵,フクイサチヨミューズワーク,丸山貴史「続ざんねんないきもの事典」本体900円が発行されている。念のため。