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教育研究所
書評:小島宏の気になる1冊その854
久米公・長野秀章編著「学習指導要領準拠 漢字指導の手き 第八版」(教育出版 本体:1600円)
現今の児童・生徒は,漢字の読み書きや意味は電子辞書で,レポート(場合によっては作文も)などは,Microsoft Wordを用いて作成している。従って,先生方は,児童・生徒が漢字を「書けない」「読めない」「活用できない」実態に少なからず悩んでいる(内緒の話ですが,経験の浅い先生の中には,板書やノートのコメントが,児童・生徒と五十歩百歩の状況があるようです)。
でも心配ご無用。漢字指導の具体的な進め方について本書は丁寧に解説してある。先生方の「漢字辞典」としても活用できるようになっている。本書の内容構成を紹介する。是非,一度手に取って品定めをしていただきたい。
「学年別漢字配当表の改訂(小学校1学年~6学年)」,「常用漢字とその指導の要点(小学校の漢字指導の要点,中学校の漢字指導の要点,高等学校の漢字指導の要点,常用漢字小・中・高等学校段階別音訓一覧表)」,「漢字指導における字体・筆順について(常用漢字表に示された字体の考え方,学習指導要領に示された指導の際の字体の標準の考え方,筆写(楷書)の際の許容される書き方・筆順指導における基準(小学校1学年~6学年,中学校・高等学校の筆順指導の要点)など」,「学年別配当漢字 指導上の標準字体・書写のポイント・許容の書き方・筆順,原則と系統」,「学年別配当漢字 部首とその形を含む漢字」「学年別配当漢字構成別分類」,「人名に用いる漢字(常用漢字及び平成29年9月25日法務省令別表二)」,「戦後(1945年以降)における漢字教育の概要」,「平仮名・片仮名字源表」「新小学校学習指導要領・新中学校学習指導要領(国語・抜粋)」,「文化審議会・常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)―明朝体と手書き(筆写)の楷書との関係」,「文化審議会答申・改訂常用漢字表と基本的な考え方」,「常用漢字表の改訂(平成24年4月より実施)」と,充実している。
松村明校閲・教育出版編集局編「表記の手引き第七版」(教育出版)と併せて利用すると効果的である。